山崎太郎先生

指導医・山崎太郎 先生

氏 名 :山崎 太郎
出身地 :栃木県
出身大学:埼玉医科大学
診療科目:小児科
専門分野:血液

研修時代のエピソード

子どもは症状が急変しやすいですが、一方で、悪化状態からの立ち直りは劇的で、すごい生命力だということに、今でも毎回驚かされています。
例えば、高熱や胃腸炎による脱水症状でぐったりしている子どもが、治療後には元気になって、「バイバーイ!」と満面な笑顔で帰っていくんですよ。

こんな時もありました。抗がん剤は大人でも耐えられない治療なのに、「頑張ろうね。」って励ますと、子どもは「うん!」って言って素直に頑張るんです。頑張っている子ども、頑張っている親を応援したくて、僕も頑張っています。その子の治る過程を実感できるし、退院時に両親、場合によって祖父母の3世代揃って喜ばれて……、まさに小児科医の冥利に尽きます。

小児科を選んだ理由

子どもが好きな事が前提でしょうね。
小児科(=子ども)は血液、循環器、アレルギー、新生児等と細分化されています。それらをひとまとめにして、「子ども」と言ったらすべてを診られる医者になりたいと思ったからです。
また、母親が小児科医であったのも少なからず影響があったと思います。

加えて、当時の佐々木望教授(現:埼玉医科大学かわごえクリニック院長)の下、小児科の総合診療として、新生児、腎臓膠原病、代謝、血液腫瘍、心臓、アレルギーなど専門分野の医師が集まっていました。
この病院に居ればすべての専門医から直接指導を受けられると思い、このまま臨床研修医を続けました。

当病院の魅力(イチオシ)

都内の大学病院の小児科は、順天堂大なら消化器、東京女子医大は神経、東京医科歯科大は免疫……というように得意分野があります。埼玉医科大は前述のとおり、田舎である土地柄、一次医療から三次医療まで、子どもの総合診療を行っているので、何でも診ます。小児のジェネラリストを目指すには最高の場と思っています。このことは、当院の内科、外科、全ての科において言えることだと思います。

僕は初期研修医に「小児救急外来の極意」なるものを指導しています。

  1. 「過去」、受診するまでの経過をまとめる。
    オープンクエスチョンにクローズドクエスチョンを上手く組み合わせて問診をとる。そして、診察に入る前に「今日は○○が心配で来たんですね」の問いかけで、同伴の親が心配している症状の再確認をする。
  2. 「現在」、診察所見を口に出して言う。
    診察時に「(胸の音を聞きながら)肺炎の音はしませんね。」「(喉を見ながら)喉は赤くないですね。」と必ず声を出して所見を言う。そうすると、患者さんは医師が何を診ているのかが分かる(=安心する)。言葉に出さなければ何も伝わりません。
  3. 「未来」、今後の症状、起こり得ること、対処法を説明する。
    夜中の2時、3時に親は何で子どもを救急外来に受診させるのでしょう?熱は下がるのか?嘔吐はおさまるのか?等、いつまで症状が続くのか、どうなるのかが心配で連れてきます。予測できる症状(緩和/急変)、対処法、次に病院へ来るタイミング等をきちんと説明し親が不安に思っていたことを解決します。

これら「過去」「現在」「未来」の3つを抑えれば、患者は満足して帰ります。

僕が研修医に学んで欲しいのは、臨床研修医のABCとして「Aあたりまえの事を、Bバカみたいに、Cちゃんとやる。」です。これらをできるようになる事がプライマリ・ケアに必要だと考えています。

研修医にとっての指導医は困った時に助けて欲しい存在です。研修医は経験が浅いですから、必ず行き詰ります。僕は研修医が勤務している病棟へふらっと足を運んで、「何かあるかい?」と声掛けし求められれば、しっかりとフィードバックしていました。そんな事が良かったのか、数年前に優秀指導医を受賞しました。

研修医へのエール

指導を受けていた佐々木教授は「子どもには未来がある。小児科はやりがいのある仕事。小児科医になって後悔した人はいない」と語っていました。僕も同じように、小児科医を志す研修医にはこのセリフを伝えています。

ですから、「子どもが好きだったら、迷わず小児科へ」是非一緒に働きましょう。ローテートでここ(小児科)へ来る日を待っています。