コラム

2018年以前のコラム

■2019年10月18日 Michael E. Wechsler教授をお招きしてSevere asthma special seminar 2019を開催いたしました。

 2019年10月18日18時より埼玉医科大学本院丸木記念館において、Severe asthma special seminar 2019を開催いたしました。コロラド大学医学部教授でいらっしゃるMichael E. Wechsler先生をお招きしての特別講演企画でありました。
 Wechsler先生は特に難治性の好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(eosinophilic granulomatosis with polyangiitis:EGPA)に対する抗IL-5抗体製剤の有効性を報告されたことでご高名な先生であります。今回は国際製薬企業アストラゼネカ主催の研究会のために来日されており、その司会を永田センター長がご担当されるというご縁で、埼玉医大のキャンパスにまでおいでくださりました。

写真1
写真2

  EGPAとは、本邦では元々チャーグ・ストラウス症候群という病名で認知されていた重症喘息を伴う全身性血管炎を本体とした難治性疾患です。その病態には名前の通り好酸球の関与が認知されており、好酸球の増殖を阻む抗IL-5抗体製剤の有効性が推測されていました。2017年5月に名門誌New England Journal of Medicine(NEJM)において、Wechsler先生は難治性EGPA患者に抗Il-5抗体製剤を投与し、寛解維持期間や寛解維持率がプラセボ群に対して有意に改善されたことを報告されました。またその他にも長時間作用型β刺激薬療法に対するβアドレナリン受容体遺伝子多型の影響や、気管支熱形成術の有効性についての北米大規模臨床研究のおまとめ役として成果を報告されるなど、今日の特に重症喘息の臨床研究における第一人者の先生であります。
 今回は気管支喘息におけるphenotypeとendotypeの解説に始まり、その病型や各種のサイトカイン、そしてそれらにより気道に集積して活性化する好酸球の病態への関与等を包括的に講義してくださいました。本講演では、呼吸器内科杣准教授がfirst authorで報告された気管支喘息の急性増悪リスク(末梢血好酸球数、とくに好酸球数と呼気NO値の両者が揃って高値であると喘息の急性増悪リスクとなる)についても触れられ、埼玉医大の研究報告についてWechsler先生よりお褒めの言葉をいただきました。
 またご講演の後半には、最新の知見を交えた抗IL-5Rα抗体製剤、抗IL-4/IL-13抗体製剤をはじめとした生物学的製剤の臨床試験結果についてもおはなしをいただきました。当科を含め小児科や皮膚科などアレルギー疾患診療に従事する診療科医師にはとても良い勉強、刺激となりました。ディスカッションでは当センター主催勉強会等には準レギュラー的にご参加くださる、防衛医大呼吸器内科の宮田純先生(懇親会の集合写真で左から2番目)などが活発なご質問、討論をされていました。
 終了後、学内レストラン「フォンテイヌ」において懇親会が開かれました。

写真3
写真4

 Wechsler先生はもともとモントリオールのご出身で学生時代はカナダの国技アイスホッケーのGKだったそうであり、本学アイスホッケー部の主将であった小児科古賀医師(写真↑のツーショット〜!)、また同部のGKであった永田センター長などともアイスホッケー談義にも華が咲いていました。また埼玉医大呼吸器内科のもうひとりの教授である仲村秀俊教授(集合写真左から3番目)とは同先生のボストン留学時代にご一緒であられたことがある由で、久闊を叙されていました。
 当アレルギーセンターは現在、日本アレルギー学会の関東支部、またアレルギー・好酸球研究会の事務局などを預かるだけでなく、2021年には日本アレルギー学会学術大会を主催することとなっており、今後も我が国におけるアレルギー疾患研究の拠点のひとつとして、今回のように国際的研究者を招請しての特別講演会等を継続的に開催していければありがたいものと存じます。(文責 呼吸器内科・片山和紀)

■2019年10月8日 「トータルアプローチ アレルギー診療」を出版いたしました

  当アレルギーセンターは、アレルギー疾患の包括的・専門的な診療の提供、アレルギー病態の研究、さらにさまざまな場面での情報発信を活動の一部として推進いたしております。今回、医師薬出版社より、筆者を編者とした「トータルアプローチ アレルギー診療」という医療関係者向けの単行本を出版させていただきました。

book

  アレルギー疾患は、体質基盤が関与するため若年期から発症しやすく、長年の経過ののちには感作アレルゲンが拡大していくこと、そして単一の病因アレルゲンが複数のアレルギー疾患を発症することなどが知られています。アレルギー診療の基本は、病因アレルゲンの検索と回避指導、必要最小限の薬物療法、そして可能であれば長期予後の改善をめざしたアレルゲン免疫療法を積極的に活用することなのです。アレルゲン免疫療法については我が国での普及が諸外国と比較して著しく遅れていましたが、最も重要な環境アレルゲンである家塵ダニとスギ花粉については、注射薬ならびに舌下療法薬が開発され、筆者が代表作成者となって日本アレルギー学会からこれらの手引書が発刊されています。我が国ではようやく普及し始めている段階なのです。アレルゲン免疫療法は喘息・鼻炎・結膜炎を包括的に改善すること、数年行うと中止後も効果が維持されること、新規アレルゲン感作の拡大を抑制するなどの、患者個々のアレルギー病態の自然史に介入しこれを修飾する“体質改善的”作用が証明されています。従来から国際社会ではアレルギー診療の中心的存在でしたが、今後は日本でも広く普及させていくことが必要です。
 本特集ではアレルゲン免疫療法を含め、アレルギー診療に必要な必須の重要知識をまとめさせていただきました。広くアレルギー診療に携われる先生方や医療関係者のみなさまにご活用いただき、患者さんのためにぜひお役立ていただきたいと願うものです。
(文責 永田 真)

■2019年10月5日 アレルギー・好酸球研究会2019を開催いたしました

 当アレルギーセンターは、アレルギー疾患の病態に関わる重要な免疫担当細胞である好酸球の研究を中心とし、アレルギー性炎症をテーマとした医師主導型学術集会として「アレルギー・好酸球研究会」(The Workshop on Eosinophils in Allergy and Related Diseases, WEA)https://www.sec-information.net/eosinophils/data/announce.htmlを主催してきました。10月5日土曜にその2019年度学術集会が都内にて開催されました。
 今回からWEAはアジア 太平洋アレルギー・喘息・臨床免疫学会(Asia Pacific Association of Allergy, Asthma and Clinical Immunology: APAAACI)と正式提携することとなり、その関係もあって役員のおひとりである秋田大学の植木重治先生にロゴを作成していただきました。

logo

  今後は本研究会の優秀演題10題が、同学会の公式学会雑誌Asian Pacific Allergyに原著論文等として掲載されていくこととなります。今回はAPAAACIとの連携しての、記念すべき最初の学術集会となり、その会長は帝京大学呼吸器アレルギー内科教授の長瀬洋之先生にお勤めいただきました。

写真1
挨拶される長瀬会長

 研究会は好酸球の細胞生物学的研究から始まり、広くアレルギー性炎症に関わる一般演題25題の発表が展開され、大変に白熱した学術集会となり活況を呈しておりました。当センターからは小児科の植田穣講師、また呼吸器内科の大学院生片山和紀医師がそれぞれご発表をつとめられました。
ランチョンセミナーを兼ねた教育講演として、ドイツのThe University of Rostockの呼吸器内科教授であられるJohann Christian Virchow jr教授に、Perspective of Type 2 Infl ammation in Asthma”の演題名にてご講演を頂戴いたしました。

写真2
講演されるVirchow教授

写真3
Virchow教授のご講演を司会する筆者

 同先生は医療関係者ならだれもがごぞんじのVirchowリンパ節、、また“Virchow転移”のVirchow先生を曽祖父にもたれるドイツ医学のサラブレッドであられます。そのご講演は大変に格調が高く、聴衆を益すること誠に大でありました。ご講演ののちに長瀬会長また当センターの関連スタッフと歓談、また写真撮影の場をもたせていただきましたが、サイエンスの香り高い世界の一級品ともいうべき高いご見識と、そして気さくで冗談がお好きなお人柄で、大変に魅了された次第でありました。

写真4
Virchow教授と記念撮影した長瀬会長ならびに当センタースタッフ(左から片山呼吸器内科大学院生、筆者、Virchow先生、長瀬会長、中込呼吸器内科准教授)

 閉会式前の夕刻の時間帯には、長瀬会長のご司会にて、千葉大学免疫学中山俊憲教授による“病原型Th2細胞”によるアレルギー性炎症の調節機構についての特別講演がありました。
 本研究会が、我が国における今後のアレルギー疾患研究の発展への糧となっていってくれれば幸いと考えております。本研究会が無事に盛大に、大変な成功裏に終わったことを,長瀬洋之学会長に感謝と敬意を申し上げする次第であります。
 なお「アレルギー・好酸球研究会2020」は、明年7月18日(土曜)に、日本大学呼吸器内科・權寧博教授に会長をお願いし、都内にて開催予定であります。研究会員はもちろんですが,広くアレルギー疾患の基礎病態であるアレルギー性炎症の研究・臨床にご関心のある研究者、医師,医学生のみなさま等にも,ぜひともご参加をご検討いただけますなら幸いです。(文責 永田 真)

■2019年9月15日 第2回日本アレルギー学会関東地方会が開催されました

 日本アレルギー学会はいまや会員数約12000名の巨大医学会となり,各地域における学術活動の活性化,また症例報告活動の場の確保,さらに学会員等の学問の場の拡大等を目的に2018年に各地方支部が設立されました。そして初代関東支部長には筆者(永田)が選出されました。今春にまず筆者自身が学会長を担当して第1回の関東地方学会を開催いたしましたが,このたび第2回学会が,獨協医科大学小児科吉原重美教授が会長を務められ, 9月14日土曜に秋葉原コンベンションホールにおいて開催されました。

写真1
挨拶をされる吉原重美会長

 当日は40を超える一般演題のほかに会長特別企画,教育セミナー,ランチョンセミナー,教育講演など様々なプログラムが展開され,大変な活況を呈して盛会となりました。当センターからは一般演題の座長を小児科・植田穣講師ならびに総合診療内科・小林威仁准教授が担当され,また教育講演の司会を小児科・徳山研一教授が担当されました

写真2
司会をされる徳山教授

  閉会式前の夕刻の時間帯,筆者が司会を担当して“アトピー型重症喘息の病態と治療”に関するセッションが設けられましたが,そのなかで呼吸器内科中込一之准教授は,特にウイルス感染症にともなう喘息の増悪を中心に,IgEの役割について,当センター呼吸器内科の研究成果などを含んだ講演を担当されました。

写真3
講演する中込准教授

写真4
司会する筆者

 関東支部では第1回の開催時から,症例報告等で優れた演題に対しては,優秀賞として表彰することを始めました。この学会,ひいてはアレルギー学の未来を担う若者たちを鼓舞することがひとつの目的です。今回,“ステロイド療法に抵抗性の末梢神経障害症状に対して抗IL-5抗体治療が有効であった好酸球性肉芽腫性血管炎”について発表された呼吸器内科の関谷龍助教が,この賞を受賞されました。

写真5
表彰される関谷助教

 本地方会が、今後のアレルギー臨床またとくにアレルギー研究の発展への糧となっていってくれれば幸いであります。本学会が無事に盛大に、大変な成功裏に終わったことを,吉原重美学会長に感謝と敬意を申し上げする次第であります。

写真6
当日参加の呼吸器内科スタッフ

 なお第3回の日本アレルギー学会関東地方会は2020年2月15日(土曜)に,東京医科大学皮膚科教授・大久保ゆかり先生を会長として同じ会場にて開催予定です。学会員はもちろんですが,広くこの領域にご関心のある医師,学生,さらに看護師さんなどメディカルスタッフのみなさま等にも,ぜひともご参加をご検討いただけますなら幸いでございます。(文責 永田 真)

■European Academy of Allergy and Clinical Immunology Congress 2019に参加して参りました。

欧州アレルギー・臨床免疫学学会(European Academy of Allergy and Clinical Immunology Congress: EAACI Congress)が2019年06月01日から06月05日までリスボン (ポルトガル)で開催されました。当院アレルギーセンターからは小児科から私(古賀)・徳山教授が参加し、呼吸器内科からは中込准教授・片山助教が参加されました。

写真1

 私は「Surveillance of pollen-food allergy syndrome in elementary and junior high school children in northwest area of Saitama prefecture, Japan」というテーマでポスター発表をしました。当初は発表内容に関して2分間で聴衆にメッセージを伝えるというインフォメーションだったのですが、いざセッションが始まってみると座長の先生から発表4分、質疑応答4分、併せて8分の持ち時間でプレゼンテーションをお願いしますと言われました。私を含め同じセッションの演者の先生達は「そんなの聞いてないぞ!」と慌てる羽目になってしまいました。今回の筆者の発表は近年小児で増加傾向である花粉-食物アレルギー症候群(pollen-food allergy syndrome:PFAS)に関する疫学調査でした。当院周辺地域の公立小中学校の児童の保護者の方たち約3500名にご協力いただき、本邦ではまだ報告が少ない小児PFASに関するデータをPFASの本場であるヨーロッパで発表することができました。なんとか、つたない英語、しかも準備なしでのプレゼンテーションにもかかわらず、座長をはじめ様々な国の先生方が一生懸命聞いて下さり、貴重な質問や意見をいただき有意義な発表となりました。近年の学会はペーパーレスを目指しており、ポスター発表も以前は紙に印刷して会場に持ち込んでいましたが、今回はあらかじめデータでスライドを送り当日はモニターで映す形式でした。以前の、紙のポスターの時は広い会場にポスターがたくさん貼ってあり、その中を気兼ねなく周りながらじっくり見ることができました。一方、今回の形式では一つのモニターの中に多くの演題が収録されており、気になる演題を選択しモニターに映し出して閲覧する形式であったため、参加者が多い本学会ではゆっくり見ることができなかったのが少し残念でした。

写真2

写真3

 中込准教授は「Cadherin-related family member 3 upregulates the effector functions of eosinophils」というタイトルで口頭発表をされました。座長があらかじめ作成したスライドには埼玉医大の校章もありましたが、名前が「Nakuyuki Sakagome」になっており、日本人の名前は難しいのだということが理解できました。小児の重度な喘息発作に関係する蛋白であるCadherin-related family member 3(CDHR3)は、同じく喘息発作に関係するウィルスであるC型ライノウィルスの受容体であることがわかっていますが、今回の研究では、CDHR3が、こちらも喘息発作に関係するとされる、好酸球という白血球の機能を高めることを報告されました。

写真4

写真5

 学会会場の中ではかわいいキッチンカーでホットドックが販売されており昼食はそこでとりました。パンに細長く揚げられたポテトスナック菓子(湖池屋カラムーチョの辛くないバージョン)とソーセージをはさんだシンプルなものでしたが、パンは柔らかく甘くそこにカリッとしたポテトと肉汁が詰まったソーセージの組み合わせは絶品でした。来年のEAACIはLondonで行われる予定であり、また参加したいと思いながらホットドックをいただきました。

写真6

 リスボンは大西洋に面したヨーロッパの中で最も西にある都市です。丘の街であり街全体を一望できる古城もあり、細い道が何本も入り組みまるで迷路のような町中を黄色のかわいいケーブルカーが走っていました。日没が21時頃で夕食時でも明るく、日差しも強いため少し町中を歩くだけで日焼けしてしまいました。2日目の夜は呼吸器内科の先生方と海辺のレストランでイワシや干し鱈(バカリャウ)を使ったポルトガル料理を食べましたがどれも日本人好みで美味であり、日本食を恋しくなることはありませんでした。

写真7

直行便がなくヨーロッパの主要都市で乗り継ぎが必要であり20時間ほどの移動時間となりましたが、それだけ価値のある学会でした。留守番をしていただいた先生方ありがとうございました。
(文責:小児科 古賀健史)

■2019年5月18日 埼玉医科大学市民公開講座「アレルギー」が開催されました。

 平成30年3月23日埼玉医科大学病院が埼玉県アレルギー疾患医療拠点病院となり、県よりアレルギー疾患対策事業委託事業を受けております。事業の一環である、アレルギー疾患県民情報提供事業の埼玉医科大学市民公開講座「アレルギー」、が令和元年5月18日(土)13時30分より、埼玉医科大学川越ビル6階大会議室にて行われました。
 まず、呼吸器内科教授/アレルギーセンター センター長 永田真先生より「ぜんそくや花粉症を治す!アレルゲン免疫療法」についてご講演頂き、“とてもイメージしやすく聴きやすかったです。”“早速舌下免疫療法を受けようと思った。”などのご感想を頂戴いたしました。
 次に、小児科教授/アレルギーセンター 副センター長 徳山研一先生より「子どもの食物アレルギーへの対応 −最近の考え方−」についてご講演頂き、“学校において指導にいかせる内容がとても良かった。”“検査して食べさせたいと思いました。”などのご感想を頂戴いたしました。
 近年アレルギー疾患をお持ちの方が増えており、参加された皆様も先生方のご講演に興味深くお聞きになられていました。各講演終了後には質問に先生方がご回答され、活発な質疑応答であったと感じます。150名程の多くの方が参加され、講演について御好評を頂き大変充実した講演会になったと考えます。来年度も、「アレルギー」について市民公開講座の開催を予定しております。お誘いあわせのうえ奮ってご参集くださいますよう、皆様のお越しをお待ち申し上げております。
         (文責:埼玉医科大学病院アレルギー疾患相談室事務局 柳)

■2019年4月20日 御高名なPaul Jones教授をお招きしてアレルギーフォーラムを開催しました。

 2019年4月19日18時〜埼玉医科大学本院(入間郡毛呂山町)第4講堂において、「第58回アレルギーフォーラム」を開催いたしました。今回は英国における気道疾患研究の権威であり、国際的な有名教授といってよい、ロンドン大学セントジョージ校呼吸器内科のPaul Jones教授をお招きしての特別講演会となりました。現在アドバイザー的お役割でご所属の国際製薬企業グラクソスミスクライン社のスポンサーシップによるものでした。
 Jones教授はとくに喫煙による慢性気道疾患であり、日本でも桂歌丸さんなどで有名になってきている慢性閉塞性肺疾患(COPD)の国際ガイドラインの作成に関与され、そしてとくに呼吸器疾患の質問票の国際スタンダードであるセントジョージ呼吸器質問票(SGRQ)の作成者として非常に御高名です。日本呼吸器学会でのご講演のために来日されているところを、無理を言って埼玉医大でのご講演をお願いした次第です。
 当日は「慢性気道疾患に関する最近の話題」として、COPDや喘息、また両疾患の合併であるACOなどについてその病態と、そしてとくに新規の吸入治療薬の全世界大規模臨床研究の最新の成果などについてご講演をしてくださいました。当日は本学の村越隆之医学部長もご臨席くださいました。

 呼吸器内科で研修中の若者たち(写真上)、すなわちルーキー研修医さんたちや医学部実習生クンたちが大勢参加して熱心に聴講してくれました。懇親会で、Jones先生は明日の医療を担っていく埼玉医大の若者たちに気さくに声をかけてくださったことも印象的でした。
 筆者とは、ブリティッシュ・ロックの話で盛り上がってしまいました(写真下)。

  自分がハイスクール(都立上野高校)時代に英国前衛ロックの雄「イエス」のコピーバンドをしていた話であるとか、ここには写っていませんがもうひとり「元麻布高校軽音楽部」で英国現代ロックの雄レディオヘッドの演奏をしていたという防衛医大呼吸器内科(慶応呼吸器出身)宮田医師とも話があっていました。Jones先生ご自身は、最近はもうオペラだなあとおっしゃっていて、我々と違うなあ、かっこいいなあと思った次第ではあります。ともかくこの件、とてもとてもうれしそう楽しそうで大変によかったです。
 Jones教授においでいただいて感心いたしましたのは、大教授であるのに大変にフレンドリイで飾りけのない人柄で、そして笑顔がとっても“可愛い”(失礼!)先生であったことです。彼自身がコーヒーのアレルギーであって、日曜だけ特別に、エスプレッソをこわごわのむのが実は楽しみ♪などとのおはなしもして下さり、愉快で印象的でした。またいつの日か、きっと日本にきて、埼玉医大の若者たちに講義をしてくださることを約して、先生は帰国前の宿泊地の都心ホテルに戻って行かれました。本フォーラムでは5年連続で欧米の有名教授をお招きしてご講演を拝聴していますが、今後も、医学を志す若者たちの“でっかい未来”のためにも、こういったイベントを継続発展させていきたいものと考えます。
(文責:永田 真)

■2019年3月18日 センター長を会長として第1回日本アレルギー学会関東地方会が開催されました

 日本アレルギー学会は我が国のアレルギー専門医制度を運用する会員数約12000名の巨大医学会ですが,各地域における学術活動の均てん化,症例報告活動の場を広げることや専門医を志す会員みなさまの学問の場を広げること等を目的に,昨秋に各地方支部が設立されました。そして当センターが初代の関東支部に選出されました。このことと関連して年2回の関東地方学会が行われることとなり,その記念すべき第1回学会を,筆者が会長を務めさせていただき 3月16日土曜に秋葉原コンベンションホールにおいて開催させていただきました。
 会長を担当するに際し,この第1回地方会では特に日本のアレルギー診療・研究の未来を担う若者たちを鼓舞することを重要視して,卒後10〜20年の若手に各セッション座長を担当していただき,またその若手座長たちには各セッションから1演題ずつを選出していただいて「優秀賞」として表彰することとし,当日朝の開会あいさつでもそのことを申し上げさせていただきました。

 当日は医学生や看護師さん等(いずれも入場無料としました)も大勢ご参加いただき、参加者300名を超す大盛況となりました。成人・小児気管支喘息,アナフィラキシー,食物アレルギー,アトピー性皮膚炎,また花粉症・アレルギー性鼻結膜炎などに関する一般演題を51題ご応募いただきました。当センター関係は当院小児科,皮膚科,総合診療内科,呼吸器内科から演題を頂戴いたしました。“若手座長”として当センター関係では小児科の植田穣講師と,呼吸器内科の小宮山謙一郎講師が各々座長を担いました。


写真上が小児科・植田穣講師、下は呼吸器内科・小宮山謙一郎講師

 お昼時は二つの会場でランチョンセミナーとして,「喘息病態・治療の新規トピックス」と難病の「好酸球性多発血管性肉芽腫症(Churg-Strauss症候群)」についてのセミナーを開催いたしました。他大学の医学生さんから,お弁当をたべながら高度な勉強ができてとても有意義であった,との声をおききいたしました。


学会運営スタッフに交じり写真右から2人目は日本医科大学の学生さん

  午後のセッションでは“会長企画教育セミナー”として「アレルゲン免疫療法:臨床応用の最前線」としたセッションを設けさせていただきましたところ,満員御礼の活況を呈していました。その司会は当センター耳鼻科教授の上條篤先生と呼吸器内科准教授の杣知行先生に御担当をしていただきました。またシンポジストのひとりには当センターから中込一之准教授にご担当いただきました。


司会をされる上條教授と杣准教授


講演をされる中込准教授

 「重症喘息・重症アトピー性皮膚炎の最新治療」についての二つの教育セミナーも企画させていただきましたが,いずれも好評のようでありました。第1会場の夕刻のラスト1時間ですが,本学国際医療センター(日高市)の肺がん免疫療法のリーダーである各務博教授による「腫瘍免疫と自己免疫の接点」と,筆者の長年の盟友でもあって2020年World Allergy Congressの会長に選出されている国立相模原病院小児科の海老澤元宏先生による「食物アレルギーの現状と展望」のふたつの教育講演で幕を閉じました。閉会式において一般演題演者から選出された“優秀賞”の表彰をさせていただきましたが,そのなかには当センター呼吸器内科助教である内藤恵理佳先生も選出されていました。


筆者(会長)に表彰を受ける内藤恵理佳助教

 約7時間半があっという間にすぎてしまいましたが、ご参加くださった先生がた,看護師さん,医学生のみなさんにとっても、大変有意義な学術集会となったものと考えます。本学会が成功裏に終えることができたのは他大学・学術医療機関の多くのみなさまと,そして複数の製薬企業さんのご支援ご協力の賜物であり、深謝を申し上げたいとおもいます。 なお当センターは初代の日本アレルギー学会関東支部として,少なくとも第4回までのこの地方会の運営に関わりますが,充実した学術集会となるよう尽力してまいりたいと思います。今後とも皆様におかれましてはご指導ご鞭撻のほど,何卒宜しくお願い申し上げます。(文責:永田 真)

■2019年2月4日「平成30年度アレルギー疾患研修会」が開催されました。

 2月4日(月)14時15分〜16時30分 大宮ソニックシティ小ホールにおいてアレルギー疾患研修会が行われました。保育所、幼稚園等の学校及びその他の福祉施設等の職員並びに行政担当者に対して、アレルギー疾患患者に対する対応能力の向上を目的として研修を実施いたしました。本研修会は今年度より埼玉県アレルギー疾患対策事業委託事業として、埼玉県疾病対策課と埼玉医科大学病院(埼玉県アレルギー疾患医療拠点病院)が共催として開催しております。
 講演内容は「こどもたちのアレルギー疾患 ― 保育園・幼稚園等での対応について ― 」で、当院小児科の徳山研一教授 が担当されました。アレルギー疾患の原因から始まり、乳児期・幼児期での“食物アレルギー”や、“気管支喘息”について、症状・検査方法・治療等などをとても分かりやすく解説され、参加者からは「アレルギーに対する理解を深めることができた」「治療法の現状がわかり良かった」といったご感想を多数いただきました。
 次にエピペン実習が行われ、徳山教授がエピペンの使用上の注意点などをレクチャーされた後、参加者全員が練習用トレーナーを用いて正しい握り方などを含め、打ち方の練習をされました。更に、希望された参加者数名に壇上に上がっていただき、積み重ねたバスタオルを大腿に見立てて実際のエピペンによる試技をしていただきましたが、「思っていた以上に持っている手に衝撃があった」と驚かれていました。アンケートの感想でも「本物のエピペンを使った様子を直に見せてもらい参考になった」、「普段手に取ることのできないエピペンに触れられて勉強になった」などと、大変好評でありました。
 最後に質疑応答では、事前に頂いた相談内容や会場での質問に徳山教授が回答されました。子どもへの対応・生活管理指導表についてなど、様々な質問がございました。
 参加された多くの方から“参考になった”と感想をいただき、とても充実した研修会であったと考えます。(文責 埼玉医科大学病院 アレルギー疾患相談室事務局 柳美由紀)

写真1

写真2

写真3

■2019年2月4日 アレルギー週間市民公開講座2019を開催しました

 例年この時期には、日本全国で、公益財団法人日本アレルギー協会が主催するアレルギー週間市民公開講座が開催されます。2019年度の埼玉県の市民講座は、当センターのスタッフが中心となり、2月2日土曜の午後13〜15:30にわたり、志木市の志木市民会館パルシティ2F会議室において開催いたしました。当日はインフルエンザがまだ猛威をふるうなか、多くの患者さんやそのご家族が熱心にご参集くださいました。
 スギ花粉症や気管支喘息、また食物アレルギーなどのアレルギー疾患では正確な専門的管理・治療をおこなえるアレルギー専門医が日本では少ない現状があります。そのような事情もあって、医学的根拠のない民間治療が高額で行われていたり、また専門医でないどころか日本アレルギー学会員でない医療機関がアレルギー科を標榜している場合が少なからずあったりもいたします。そういった視点で、まずは市民のみなさんにアレルギー疾患についての正しい知識をもっていただき、管理の向上につなげていただきたいことを、司会担当の筆者が開会の辞にて述べさせていただきました
 そののちまず「スギ花粉症」について、埼玉医科大学病院耳鼻科教授の上條篤先生がご講演を担当されました。

写真1

 同先生はスギ花粉症が非常に増えていて国民病化していること、正しい治療によって十分にコントロールできること、一方でドラッグストアなどで入手できる血管収縮薬の鼻炎噴霧薬は即効性があるものの危険性があること、そして根本療法としてのアレルゲン免疫療法が活用できることなどをふくんだ御講演をしていただきました。
 次いで「気管支喘息」について、当センターOBでもある、現・埼玉県立循環器呼吸器病センター医長の高久洋太郎先生がご講演を担当されました。

写真2

気管支喘息の病態、この疾患が増える一方であること、しかし各種の吸入ステロイド療法を中心とした薬物治療が発達していること、根治はむずかしいもののスケートの羽生選手や清水宏保氏をたとえに出されて薬物治療を正確にもちいれば十分に克服して活躍できること、そして根本療法としてアレルゲン免疫療法がつかえる場合があることなどを含んだお話をいただきました。
 そして「食物アレルギー」につきましては当センターで活躍される本学小児科教授の徳山研一先生が講義を担当されました。

写真3

  食物アレルギーには5つの病型があること、その5つの病型のご説明と、血液検査でIgE抗体が陽性となっても安全に食べられていればあえて摂食制限をする必要はないこと、必要に応じて経口負荷試験を行うことには大きな意義があること、そして終盤には最近の経皮感作が原因になることを示す学説や、注目を浴びている経口免疫寛容の話題などもふくむ、大変に丁寧な講義をしていただきました。いずれのご講演も、大変に好評でありました。
15分の休憩時間の間に市民のみなさんに質問をかいていただき、集計して分担をきめさせていただいたのちに、ラスト45分間で各演者あるいは筆者がそれを読みながら回答する形式で、Q&Aのコーナーを設けました。

写真4

  例年どおり食物アレルギーついてのご質問が複数ありましたが、本年度はとくにスギ花粉症の治療にまつわるご質問が非常に多かったとおもいます。そのなかにはアレルゲン免疫療法の価格や作用などについてのご質問や、また多少は効果があるかもしれない?ヨーグルトなど乳酸菌製品、さらに空気清浄機の効用などについてのご質問などもみられました。本公開講座は、3人の先生がたの講義と、そして患者さんご自身はもとより、そのご家族などの日々のご疑問についての質問にもお答えでき、大変に有意義な会になったとおもいます。アレルギーに悩む志木市の市民のみなさんを中心とした患者さんやご家族のみなさんに、少しでもお役に立てたのであればありがたいと思う次第です。なおこの市民公開講座をご後援くださった杏林製薬さんには、この場をお借りして感謝申し上げたいと思います。(文責 永田真)

■2019年1月11日 第1回日本アレルギー学会関東地方会主催のお知らせ

 皆様遅くなりましたが新年おめでとうございます。本年も埼玉医大アレルギーセンターにご指導ご支援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。さて学会員数12000人弱と巨大化してきた日本アレルギー学会は各地域の地方支部を設置し、今年から地方会を開始することとなり、関東地方会は初代関東支部長であります筆者が第1回会長を担当して、下記の通りで開催することとなりました。
 研修医・学生、また看護師等のメディカルスタッフのみなさんは参加費無料です。
 学会員は、専門医制度の単位がご出席にて5単位を取得していただけます。
一般演題の発表者の皆さんのなかから優秀賞10数題を選出し、閉会式にて表彰する予定です。
 日々の臨床に役立つ各種の教育プログラムを用意させていただきましたので、何卒ふるってご参加のほど、宜しくお願いいたします。

第1回日本アレルギー学会関東地方会:
日時: 2018年3月16日(土曜) 9:45開会~16:45終了(予定)
場所: 秋葉原コンベンションホール
会長: 永田 真 (埼玉医科大学呼吸器内科)

参加費:2000円
*研修医・学生、また看護師等のメディカルスタッフは無料。

プログラム:
第1会場
09:45 開会式
09:50〜 一般演題
12:10〜 ランチョンセミナー(EGPA)
13:20〜 会長企画教育セミナー(アレルゲン免疫療法関連)
14:25〜 一般演題
15:35〜 教育講演(腫瘍免疫、食物アレルギー)
16:40 閉会式・優秀賞表彰式
第2会場
09:50〜 一般演題
12:10〜 ランチョンセミナー(重症喘息関連)
13:20〜 教育セミナー(重症喘息関連)
14:25〜 一般演題
15:35〜 教育セミナー(重症アトピー皮膚炎と喘息関連)

以上

(文責:永田 真)

2018年以前のコラム